妊娠中のママが知っておきたい食べ物のこと(後編)
妊婦が本当に注意すべき食材について

2018.03.01

ミキハウス編集部

おなかの赤ちゃんは、ママが妊娠中に食べたもので成長します。元気な赤ちゃんの誕生を心待ちにしているママ・パパにとって、食べるものや飲むものをどう選ぶかは大切な問題です。

それでは、ママが口にするものについて、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。ミキハウス「出産準備サイト」では、妊娠中の食べ物について、東京女子医科大学の産婦人科医・堀部悠先生にお話を伺いました。

「妊娠中のママが知っておきたい食べ物のこと」は、前編・後編の2部構成。前編「妊婦が摂るべき栄養素と食事のお話」では、ママと赤ちゃんを結び付けている胎盤の仕組みや妊娠中に必要な栄養素など、妊娠中の栄養についての基礎知識を紹介しました。

後編の今回は、妊婦が口にすることで胎児に影響を与える可能性のある食べ物や飲み物、さらに食物が関係する妊娠中の疾患について取り上げていきます。

 

過剰摂取に気をつけるべき食品ってなに

妊娠中のママは、おなかの赤ちゃんの健康と成長のためにいつもより多くの栄養とエネルギーが必要です。妊娠適齢期の女性は、通常1日2000キロカロリーが基準ですが、妊娠中期には250キロカロリー、妊娠後期になると500キロカロリーを追加するべきとされています。とは言え、なんでも好きなものを好きなだけ食べればいいというわけではありません。食品の中には、量を制限するべきものもあるのです。それは、胎児に有害なものを含んでいる食べ物や飲み物です。

例えば、厚生労働省が平成18年2月に策定した「妊産婦のための食生活指針」(※)の中の「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項」では、マグロやキンメダイなどを食べると水銀を摂取してしまうことになるため注意を呼びかけています。

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「自然界にある水銀を含むプランクトンを小さい魚が食べ、その魚はもっと大きい魚に食べられる。そんな食物連鎖の中で、その頂点にいるマグロ、イルカなど大型の魚は水銀の含有量が他の魚より多く、キンメダイなど水銀を蓄積しやすい魚種もあります」(堀部先生)

水銀は胎盤のフィルターを通り抜けて、胎児に届けられてしまう有害物質の一つ。一般の方々は、水銀摂取を問題視する必要はありませんが、妊婦さんについては少々注意が必要です。

「胎児は水銀を代謝することができないので、ママの血液から送り込まれた水銀は胎児に蓄積してしまうからです。ただ週に一切れ程度食べるぐらいなら、医学的に危険なレベルではありません。また厚生労働省が発表している基準はひとつの目安ですが、かなり安全寄りに出しています。マグロやキンメダイは水銀を摂取することになるから妊婦は絶対に食べてはいけないというわけではなく、(厚労省の基準を目安に)妊娠前よりは量を減らす、くらいのスタンスで構えるのがよいかと思われます」(堀部先生)

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水銀の他にも、昆布やワカメに含まれるヨウ素やウナギやレバーなどに含まれるビタミンAなど、妊娠中は摂取量を控えるべきものがあります。ただ、こうしたものもあまり潔癖に摂取を拒む必要はないと堀部先生はいいます。

「そもそも、妊婦さんが摂取量を控えるべきヨウ素やビタミンAは、どちらも健康のために必要不可欠な栄養素でもあります。問題は量。妊娠中に大量に食べると胎児に影響が出る可能性もあるが、こうした食品を極端に避ける必要はない。栄養のバランスを考えていろいろな食品を取り入れた食事を心がける。これが正しいスタンスではないでしょうか

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飲み物に含まれるカフェインも過剰摂取は控えましょう。どうしてもコーヒーや紅茶、緑茶などが飲みたい人は、カフェインフリーのもので代用することで解決できます。また(カフェイン入りの)普通のコーヒーが飲みたい場合も、1日1~2杯までの量を守れば問題はありません。何度も言いますが、問題は量であって、ゼロにする必要はないのです。

ただ、アルコールについては神経を使う必要があるようです。

「妊娠したばかりの2週目までにアルコールを摂りすぎると流産の可能性があると言われています。ですから妊娠が分かった時点で、アルコール飲料は控えるようにしてください。ただ妊娠2週目では妊娠自体に気が付かないことも多いでしょうから、妊活中になったら、お酒を飲みすぎないようにしてください。また、アルコールは胎盤通過性があるので、妊娠中に飲んだアルコールは赤ちゃんに届いてしまいます。赤ちゃんはアルコールに対する免疫がないので、発達遅延や中枢神経障害を引き起こす恐れがあります。ただ、これだけ言っても(妊娠がわかってからも)飲まれる人はいます。たとえば上の子の妊娠中に飲酒して何事もなかったから、下の子の時も大丈夫だと安心される方もいる。自分が証明していると。ただ妊娠は一度ずつ違うもの。過信は禁物ですし、本当に妊娠中のお酒だけは控えていただきたいと思います」(堀部先生)

 

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