前編後編にわたり、堀部先生に妊婦さんと食事についてのお話を伺ってきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に先生は「個人的な意見」と前置きして次のように話してくださいました。
「僕は、妊婦さんにはカロリーが大切だと思っているので、あれは食べてはいけないとか、あの栄養素を取らなければなどと頭でっかちに考えるより、好きなものを食べて、とにかく赤ちゃんにしっかり栄養を与えて欲しいです。もちろんジャンクフードよりはバランスの取れた食事が望ましいのですが、たくさんの情報を見聞きして考えすぎてストレスをため込んでしまったり、栄養を気にしすぎて過度な“食材制限”をする方が問題ではないかと考えているんです。そして、水分をしっかりとることですね。妊娠中は血液が増えるので、水分が必要です。水分不足で血液が濃くなると血栓のリスクも生じてしまうので、意識して水分を摂るようにしてほしいです」(堀部先生)
先生によると、「女性は精神状態が女性ホルモンで左右されることが多いので、せめて食事ぐらいはストレスなく食べた方がいいのでは」とのこと。ただでさえストレスを抱え込みやすい妊婦さん。先生の仰るように、「私は妊婦だから」とあまり考えすぎずに、自然体のままで普通の食生活を心がけることが一番なのかもしれませんね。
おなかの赤ちゃんのために、ママができることはたくさんあります。ただ、あれもこれもやらなければいけないと頭を悩ませるのではなく、参考程度に考えてくださいね。
それでは、ママと赤ちゃんが健やかな10か月間をすごせますように。
《参考資料》
※妊産婦のための食生活指針(平成18年2月/厚生労働省「健やか親子21」推進検討会)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0201-3a.html