「妊活」を始めると、基礎体温を測ったり、病院に検査に行ったり、自分の体と真剣に向き合う時間が格段に増えます。そして女性の体の“不思議”に初めて気づくことも…。妊活の基礎となる体づくりについて、ぜひ知っておいてほしいことがあります。予防医療コンサルタント、栄養コンサルタントとして、女性の体について研究、発表するチーム「ラブテリ 東京&NY」を主宰する細川モモさんに話を聞きました。
妊活に一番大切なことは?
- 妊娠するためには心身ともに健康であることも大事だと思いますが、とくに妊娠に適した体づくりには何が必要でしょうか?理想の体について教えてください。
ひとつは適正な「筋肉量」と適正な「体脂肪」を持った体です。
まず、筋肉から見ていきましょう。筋肉の約7割は下半身にあるといわれていますが、「下肢筋肉量が高い人は卵巣機能が高い」ということが研究結果(タニタ体重科学研究所の調べ)でわかっています。特に太ももにある下肢筋肉の大部分は大腿筋が占めているので、卵巣機能を高めるには、太ももを鍛えるのがいちばん早いともいえますね。
なぜ、下肢筋肉と卵巣が関係するかというと、筋肉を十分に鍛えることで成長ホルモンの分泌が高く維持できるためです。下肢筋肉量の数値が高い人は、女性ホルモンの分泌が多く、卵巣機能が高いという研究結果が出ています。また早産や難産を引き起こさないためにも、筋肉量は高いほうがいいと考えられています。筋肉は子宮をあるべきところで支えたり、いきみやすくしたりするからです。
私たちが、いわゆる“ミス・コンテスト”を通じて、各都道府県の女性の体組成を測定した結果、日本では下肢筋肉量に地域差が出ていて、東京に住んでいる女性は筋肉量が高く、一方地方に住んでいる女性は低いという傾向があります。これは車に乗るか乗らないかの生活の違いなんです。太ももを鍛えようと思ったら、歩くこと、階段の上り下りがとても大切。日頃から意識するだけで違いますから、ぜひ階段を使うことをおすすめします。