「妊活」で目指す理想のボディは「体脂肪&筋肉」と「栄養状態」がポイント!
細川モモさんインタビュー(前編)

ミキハウス編集部

BMI&体脂肪率は低くすぎても高すぎてもダメ

- 適正な体脂肪というのは具体的にどれくらいの数字を指すのでしょうか?

妊娠時にBMI(ボディー・マス・インデックス=体重〈kg〉÷身長〈m〉の二乗)が18.5、体脂肪17%以下のやせ型の女性からは、低出生体重児が生まれやすいことがわかっています。妊娠前の女性の体脂肪は22%以上が理想です。体脂肪が少ないことのリスクは何かと聞かれたら、無月経や生理不順になることと答えます。17%を下回ると排卵が止まってしまう人が半数以上といわれているのです。最近は健康のためにと激しいエクササイズをやる人も多いですが、いたずらに体脂肪を落としてはいけません。

私はミス・コンテストで“世界一の美女”を目指す候補者たちに栄養指導も行っていますが、半年の指導で3、4kg体重が増えるファイナリストも少なくありません。こう聞くと太ったと勘違いしそうですが、実際は筋肉をつけながら引き締めていくので、太ったというわけではないんですね。先ほどの筋肉量の話とも関係していますが、筋肉量を増やしていくと、自然と体脂肪率は減っていくので、セットで考えるといいと思います。
ダイエットというと、体重や体脂肪率の値ばかりを考えて、数字を減らすことを目標にしてしまう人が本当に多いのですが、これはたいへん危険です。「食べなかったら脂肪が落ちるでしょう?」と聞かれますが、答えはノー。食べなかったら、エネルギー消費の多い筋肉のほうが早く落ちてしまいます。

- BMIと体脂肪は、もちろん高すぎてもいけないんですよね?

はい、そうです。肥満もやせすぎもいけないんです。体脂肪率というよりBMIが30以上になると、妊娠しにくく、自然流産のリスク因子になるといわれています。人が太ってしまう原因の一つに、血糖値をうまく下げられない「インスリン抵抗性」の問題がありますが、インスリン抵抗性と深い関係にあるのが「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群」です。これは、生理がきちんと来ていても、排卵が起こりにくくなっている病気で、肥満の女性が多いアメリカでは不妊症の主な原因の一つと考えられています。BMIと体脂肪は少なすぎても多すぎても、婦人科の病気を引き起こしてしまう。だから、適正というのがとても大事なんです。

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