【専門医監修】「妊活」~まず始めるべきこと~

不妊症かも、と思ったら

不妊症かも、と思ったら

生殖可能年齢の女性と男性が避妊しない性交を半年から1年ぐらい続ければ、一般的には妊娠が成立すると言われています。1年以上経っても妊娠しない場合は、不妊かもしれません。不妊の原因がどちらにあるかで、「女性不妊」、「男性不妊」に分けられますが、その割合は同程度です。不妊の検査はふたりで受けることをおすすめします。

不妊症と診断されたら、治療が始まります。治療のステップは大まかに3段階です。まず医師が正確に予測した排卵日に性交を行うタイミング法を行います。次の人工授精ではマスターベーションで採取した精子から雑菌などを洗い流して子宮内に注入するのが一般的な方法。それでも妊娠が成立しなければ、採取した卵子と精子を体外に取り出して受精卵を作り、子宮内に移植する体外受精を行うこともあります。

不妊治療のステップ

不妊治療については、「保険適用前に知っておきたい 不妊治療の基礎知識 part1: 不妊について」(「同 part:2 治療の現状と課題」) に詳しくまとめてありますから、参考にしてください。

女性のからだでは、加齢とともに卵子の数は少なくなります。また卵子の細胞が老化して妊娠しにくくなります。子宮内膜症や子宮筋腫などが多くなることも不妊の原因のひとつです。年齢の影響は男性でも同じで、精子の数や運動性の低下が見られるようになります。

男女ともに結婚年齢が上がっている日本では、不妊に悩む夫婦は6~7組に1組の割合でいると言われています。仕事のキャリアと妊娠・出産のどちらもあきらめることなく充実した人生を送りたい――そんな願いを実現するために、「妊活」を始めてみませんか?

<参考資料>
【監修】吉村泰典(よしむら・やすのり)
慶應義塾大学名誉教授 産婦人科医

1949年生まれ。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる一方、第2次~第4次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。「一般社団法人 吉村やすのり 生命の環境研究所」を主宰。

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