アレルギー疾患の予防にもつながる 新生児期から始めるスキンケア

2022.07.01

ミキハウス編集部

赤ちゃんのときからシャワーを頭にかけてOK?

赤ちゃんのときからシャワーを頭にかけてOK?

吉田先生:赤ちゃんのスキンケアはからだ洗うことから始まります。赤ちゃんのからだを洗う方法については、病院や産院によって、やり方や指導方法が異なります。

当センターでは、バスマットの上で赤ちゃんのからだを洗う「アウトバス法」を推奨しています。赤ちゃんをベビーバスや浴槽につけるのではなくって、バスマットに乗っけてシャワーで頭から全部洗い流す方法です。

I:バス(浴槽)につけずにシャワーで洗い流すから「アウトバス」なのですね。

吉田先生:まずよく泡立てた洗浄料(せっけん・ボディソープ)を用意します。手に乗せても崩れないぐらいしっかりとした泡が理想です。赤ちゃんをバスマットの上に寝かせたら、泡をママ・パパの手に乗せて、頭、顔、からだをやさしくなでるように洗います。シワやくびれの部分も指を入れてしっかり洗います。

次に38~40℃ぐらいのシャワーでからだ全体を流します。汚れや洗浄料が残りやすい首や脇、股などのシワやくびれの部分はママ・パパの指でしっかり伸ばしてシャワーをかけます。頭もすすぎ残しがないように流します。

I:顔や頭はガーゼで拭いて、湯船でからだを洗うという沐浴指導を受けたことがありますが、アウトバス法だと頭にもシャワーをかけるんですか?

吉田先生:そうですね。シャワーをかけた方が、拭くだけよりもきれいにできるし、赤ちゃんは頭の先から少しずつシャワーをかけてあげると自然に目を閉じますから、難しくはありません。この方法ですと生後2〜3か月以内に起きやすい「乳児脂漏性皮膚炎※1」も悪化しづらいように感じています。


吉田先生:シャワーの後は湯船に入れてもいいのですが、赤ちゃんはからだが小さいのですぐに温まります。それよりお湯に長くつかっていると、角層のバリアが弱くなってしまいますから、湯船に入れるのは3分以内にしておきましょう。

I:お風呂はパパとのスキンシップの時間だから、ゆっくり入るのがいいかなと思っていました。肌のためには2、3歳になっても長風呂はしない方がいいんですか?

吉田先生:そうですね。大人でも乾燥肌の方は、熱いお風呂に長く入っていると肌の油が抜け、ますます乾燥しやすくなります。小さな子どもさんなら入浴は短時間ですませたいですね。

I:赤ちゃんにはせっけんなど使わず、お湯だけで十分と言っている産科さんもあるようですが、使わないでもいいものなんですか?


吉田先生:そう指導されているところもありますね。トラブルが起きないならばいいんですけれども、生後すぐはホルモンバランスの関係で脂の分泌が多かったりしますし、保湿クリームなどを塗っているとお湯だけではとりづらいので、適切に洗浄料を使用することをオススメします。

赤ちゃんに使用する洗浄料は匂いや色が付いているものは刺激が強い場合があるので、避けていただきたいです。低刺激で弱酸性のものがおすすめですが、どんな洗浄料でも必ずみんなに合うわけではありません。気になる場合は、まずは腕など一部分で試してみて、肌に合うものを選んでいいただくのがいいでしょう。

次のページ 柔らかなタオルでからだを包み込むようにして拭く

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