アレルギー疾患の予防にもつながる 新生児期から始めるスキンケア

2022.07.01

ミキハウス編集部

どんな肌荒れだったら病院に行くべき?

どんな肌荒れだったら病院に行くべき?

I:スキンケアって月齢や年齢で変わってくるものでしょうか?

吉田先生:肌が傷む原因は、月齢や年齢で違います。生まれて数か月はおっぱい・ミルクやよだれで口周りがかぶれることがあるし、おむつかぶれも起こしやすい時期です。ハイハイができるようになると、ひざやすねがこすれて荒れてガサガサしてくることがあります。2、3歳になると自由に歩き回って何でも触りますから、手足が汚れやすいですね。

赤ちゃんの成長に伴って変わる肌トラブルの原因を見逃さずに傷みやすい部分をケアしてあげることも大切だし、からだ全体をきれいに洗って保湿するというスキンケアの基本は続けていただきたいです。


吉田先生:また季節によって方法も少し変えてみてください。たとえば夏場はさらっとした肌触りのローションがつけやすいし、乾燥しやすい冬はクリームや軟膏が向いているかもしれません。赤ちゃんの頃はワセリンを塗ってもご機嫌だった子が、2歳、3歳と成長するにつれて嫌がるようになることもありますから、年齢や季節に合わせて、保湿剤のタイプを使い分けてあげたらいいでしょう。

I:赤ちゃんの肌に湿疹やかぶれを見つけた時、どんな状態だったら病院に行くべきなのでしょうか?

吉田先生:夏場は特にあせもと湿疹が混ざってできてかゆがる赤ちゃんもいます。朝晩シャワーと保湿を続けて、治るようであればほぼ問題はないでしょうが、肌を掻こうとするようならしぐさが見られたら、受診していただいた方がいいと思います。


吉田先生:3~4か月の赤ちゃんでも肌が荒れてかゆい時は、手で掻いたり、顔や背中をこすりつけたりするものです。どうしても泣き止まない時もかぶれが原因かもしれません。言葉がしゃべれない赤ちゃんがママ・パパに肌の不調を訴えるサインですから、見逃さずに対応してくださいね。

I:赤ちゃんからのSOSを理解して、不快感を解決してあげることも親子の絆になっていきそうですね。

新生児からのスキンケアがアトピー性皮膚炎にかかりにくい肌を作り、食物アレルギーや花粉症などのアレルギー性疾患を予防できる。もちろん100%の予防法ではないけれど、わが子の将来の快適な生活のためにも、こまめなスキンケアを心がけたいと思います。本日はいいお話をありがとうございました!


  • ※1乳児脂漏性湿疹とは皮脂が過剰に分泌されることによって起こる皮膚炎のこと。皮脂が多い部分(頭、額、眉毛など)に皮むけや黄色いかさぶたができる。
吉田 和恵(よしだ・かずえ)
国立成育医療研究センター 皮膚科診療部長 兼 アレルギーセンター・皮膚アレルギー科 診療部長 慶應義塾大学医学部卒。医学博士。専門分野は皮膚科学および小児皮膚科学。現在の研究課題は「アトピー性皮膚炎発症ハイリスク乳児における新生児期からの角層内因子の解析」

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