生後100日をめどに行うのが「お食い初め(おくいぞめ)」。早い赤ちゃんなら乳歯が生えはじめるこの時期に、“食べる”という行為に赤ちゃんが出合う行事です。お食い初めの意味と由来から、準備すべきもの、食べる順番までを、知りたい情報をまとめました。
「食べはじめ」でなく「食べるまね」を楽しむ行事
お食い初めとは、「一生、食べ物に困らないように」と赤ちゃんの健やかな成長を願う日本の伝統的な行事です。とはいっても、この日から赤ちゃんが本当にごはんを食べはじめるわけではありません。離乳食をはじめるのは生後5~6か月頃からなので、お食い初めではあくまで“食べるまね”だけをします。赤ちゃんのお口近くに食べ物を運んで、を数回繰り返す儀式になります。
お食い初めの起源は古く、平安時代にさかのぼるといわれています。昔は今よりも赤ちゃんの生存率が低く、生まれてから無事に100日を迎えることは大変な喜びでした。「百日(ももか)祝い」「御百日(おひゃくにち)祝い」と呼ばれたり、地域によっては「箸初め(はしはじめ)」「箸そろえ」、「歯固め(はがため)」と言ったりすることもあります。はじめて魚を食べさせるという意味の「真魚(まな)初め」と呼ぶ地方もあるそうです。
生後100日目に行なうのが最も一般的ですが、茨城県では一部で、女の子は110日目、男の子は120日目など、地方によって実施時期は異なることがあります。また近畿地方では、お食い初めの儀式を先に延ばして行うと、「食いのばし」となって長生きできるという言い伝えから、生後120日以降の吉日に行う地域もあるそうです。
ただし、決められた日にお祝いしなくてはいけないということはありません。赤ちゃんの体調を最優先して、家族の都合がつきやすい日を選びましょう。一般的には、100日をすぎた大安吉日の土日に行うケースが多いようです。また、かつては祖父母、親族が集まって行われるものでしたが、近年ではママとパパのみでささやかにお祝いすることも多いようです。