――皆さん、上司や職場の理解があって素晴らしいですね。産休前に自分自身で気をつけていたことはありますか?
Tさん:
お店に立っているときに妊娠時特有の貧血で顔が真っ青になったときに、同僚が「休んできてください」と言ってくれて、最初はそのたびに悪いなと思っていました。けれど、後から彼女の言葉に甘えてしっかり休むということも必要だとわかりました。体調が悪いままお店に出ていても、同僚にもお客様にもいいことはないですよね? その代わり、体調が落ち着いたときに、できるだけのことはやろうと意識していました。
Hさん:
産休に入ることは避けられないことなので、その前にできることはすべてやっておくということは当たり前だと思います。ただ、1人目のときはついつい遅い時間まで働きすぎて、出産前に体調を崩してしまったので、2人目のときは20時には絶対帰るように仕事を進めていました。
Sさん:
私も、できるだけ細かい点についても引き継ぎを行うように気をつけました。会社に行けなくなってしまった間はメールなどでやりとりし、他のスタッフに業務を助けてもらいました。つわりがおさまり、出社できるようになってからは後任の方も来てくれて、引き継ぎ期間を設けることができました。
Tさん:
実は私は正社員として入社したのですが、結婚時に時短の契約社員を選択していたので、自分から産休を取りたいですと言っていいのかという思いがありました。国が定めた産休取得の勤務日数などはもちろん満たしているのですが、前例が多くはなかったので。でも、とても早い段階で、上司から「産休取らないの?」と言ってもらえてすごくうれしかったことを覚えています。だからこそ「引き継ぎなどはしっかりやって産休に入ろう!」という意識が強まりました。
――産休は基本的に、パートタイムで働いている人も、アルバイトの人も取れるように法律として定められています。でも、私も復帰したときに正社員ではなく時給(パート)社員だったから気持ちがわかるのですが、出産や子育てなどの事情があってもフルタイムで働き続けている人に対して、自己都合を優先している私も同じ恩恵を受けていいのかという思いがありました。他の会社の契約社員の人もそういう気持ちを持っている人が多いかもしれませんね。