――無事、産休を取得できた後も、新たな心配事が生まれてきたのではないでしょうか。例えば、自分がいない間に取引先との関係が悪化しないか、職場での人間関係に変化が生まれないか、またきちんと復帰して仕事ができるかなど。それらの感情とは、どのようにして向き合いましたか?
Hさん:
自分の企画した案件が、私の産休・育休中にリリースするということがありました。サービスの仕事って子どもみたいなものなので、最後まで面倒をみることができないことへの寂しい気持ちはありましたね。でもその時、先輩から4、5年もいなくなるわけではないし、たった1、2年の間でみんなから忘れられるようなことはないのだから、安心して休みなさいと声をかけてもらって、心がすごく軽くなったのを覚えています。
Sさん:
私は作家さんや顧客の方との人間関係に悩みました。ギャラリーでの仕事は、作家さんや顧客の方と単に仕事上での関係にとどまらない信頼関係を築くこともやりがいの一つですが、産休中に忘れられてしまったり、疎遠になってしまったりするのではないかと心配で。でも、上司が「女性だから仕事と育児のどちらかを諦めるのではなく、どちらもやれる方法を考えよう」といつも言っていたので、産休に入ってからも仕事に参加している意識を持って、できることをしようと思いました。
――みなさん責任感を持って仕事をしているので、産休に入ったからといって、思い切りよく仕事のことを忘れられるというわけではないんですね。では、産休中の職場とのコミュニケーションはどのようにとっていましたか。
Tさん:
私は最近産休に入ったばかりなのですが、お客様との約束事だけはきちんと守るように、後任の担当者に「来週お届けの指定日がありますよ」というようなメールをしたりしています。
Sさん:
私も産休に入って最初の頃はメールや電話などでやりとりしていましたが、産後はほとんどありません。
Hさん:
出産後は育児に時間がとられてしまうので、産休前に一応“カタはつける”という意識は大事だと思います。また、産休に入った後は同僚と「元気にしてる?」と連絡をとりあったり、出産後にもらったお祝いのお礼を写メール付きのメールで返事をしたり、職場の仲間とのコミュニケーションは大事にしています。
――最近は、Facebookもあるので投稿を通じて間接的に状況を知らせることもできますよね。
Sさん:
産休中は、仕事に関する情報収集やギャラリーの展示の告知、お客様とのコミュニケーションにFacebookはとても活用できましたね。
――それはいい使い方ですね! そもそも会社やお客様から信頼されていて復帰を期待されているから、連絡をもらったり、メールなどでのやりとりも続いたりという部分がありますよね?
Hさん:
産休がスムーズに取れるかどうかは、それまでに自分がどれだけがんばってきたかということとも関係すると思います。結局、産休前も育休後も、仕事を一生懸命やって会社の中でいかに存在感を発揮していけるかということがとても大切だと感じています。