はじめに田内さんは“作業を前倒しにし、さらに小分けにする習慣を身につける”大切さを説明します。「料理を作るときは、冷蔵庫から素材を出し、野菜は洗ったり切ったり、お肉やお魚に下味をつけたりと、さまざまな下ごしらえから始めますよね。でも実は、焼いたり揚げたりといった仕上げの調理よりも、下ごしらえに時間と手間がかかります。そこをどう短縮するかを考えるのが時短料理の一番の基本です」。
たとえば、「時間があるときにそれぞれの野菜を刻んでビニール袋に入れておく。たったこれだけの作業でも、料理にかかる手間が断然違います。野菜さえ切っておけば、あとは炒めたり、揚げたり、と調理するだけ。これは、街場の中華料理屋さんと同じ手法です」と田内さん。「切った野菜はビニールやジップロックに入れて冷蔵庫で保存。塩漬けにして水気を切らずにそのまま保存すればさらに日持ちもして便利です。季節によって保存可能な日数は変わりますが、目で見て匂いを嗅いで問題なければ大丈夫」。
この“前倒し”にプラスして、その作業を分割して行う“小刻み作業”が重要なポイント。これは、翌日のごはんの用意を前日の夕食のしたくのときに一緒にやったり、平日の分の下ごしらえを週末にまとめてやったりということではなく、日々の生活のほんのちょっとの時間を有効活用し、そこに作業を埋め込んでいくという考え方。お湯を沸かしながらちょっと作業。テレビの天気予報を見ながらちょっと作業。空いた時間を見つけてはまた作業……と、5分でも10分でも時間をつくりだして下ごしらえします。まとめてやる時間をとろうと思うと、ハードルが上がってしまうので、途中分断されてもOKというのがコツです。
すき間時間を見つけてきゅうりをスライス。そのまま塩漬けにしておくと、酢の物やサラダなどが簡単に。
にんじんはスライサーで細い千切りにしておけば、サラダやシンプルなマリネがいつでも作れる。
「みなさん、お洗濯は分断しながらやりませんか? ちょっとのすき間の時間に洗濯機に洗い物と洗剤を入れてスタートボタンを押す。洗い終わってもすぐに干さずに、手が空いたときに干すということを普通にやっていると思います。食材の下ごしらえもそれと同じ。すき間時間を利用して、ちょっとずつ、やっていけばけっこう終わるものですよ」
この田内さんの言葉に、ママたちも納得の表情です。